医院を計画する時、建物は構成上医療を提供する側(スタッフ側)と受ける側(患者さん側)の大きく二つに分かれます。患者さんが医院の中でも限られた場所を 利用されるのに対して、スタッフは医院の全ての医療ならびにその延長線上の場所を使用します。
そこで重要になるものに動線計画があります。例えるなら動脈と静脈。
動線計画
患者さんの動線とスタッフの動線です。この二つの動線がうまくかみ合ってこそ初めて円滑な医療が可能となります。特に、スタッフ動線の無駄のない動きやすい計画から生まれるゆとりは、より精度の高い医療の提供を可能にしてくれます。
ポジショニング
次にポジショニングがあげられます。これはスタッフの位置取りということになります。医療を行う時、スタッフは作業を行う上でおおむね自分がいる位置が決まってきます。ここで大切なことは、受け持ち毎にその位置からドクターや患者さんが常に確認できるかということです。つまり死角のないプランニングが迅速な対応と患者さんへの細かな配慮を可能とします。
ここまで、医療を提供する立場としてのスタッフの目線を見てきましたが、
ここでスタッフ自身にも目を向けてみましょう。
スタッフの職環境つくり
開業医院では、スタッフの人数も少なくそれだけに一人一人にかかる負担も大きくなります。また、常に患者さんという弱者を相手にするだけに気も使い自身にかかるストレスも決して少なくありません。それ故仕事の合間のちょっとした時間に目に入る外の緑や景色は、気分転換に大いに役立ちます。
また、一日をとおして立ち仕事となるスタッフも多く、休憩時間は心身ともにリフレッシュの時間となります。診察室や処置室から眺めることのできる窓や手足を伸ばせるスタッフルームは、リラックスやリフレッシュだけでなく新たな元気の源となります
「スタッフの目線」から見えてくるものは、元気な気持ちで取り組む円滑な医療から生まれるゆとりこそ、患者さんへの気配りを生む「第二の医療となる。」ということでしょう。