目指す医療環境
実際に開業となると、「アアもしたいこれもやってみたい。」と夢も大きくふくらみます。また、あそこではこんな事をやっているなど周囲の事がらもこれまで以上に耳に付くことでしょう。しかし、そういう周囲の声に気を取られ、あれもこれもということになってしまうと、かえって何がやりたいのかがみえなくなり、ポイントの見えない個性のないものになってしまいます。そこで大切なことは、自分らしさの表現ということになります。つまり、どんな医院にしたいのか、自分はどういう医療を目指しているのか、を明確にすることです。また、そうした場合どういう条件(環境)がもっとも使いやすく、目指した医療に適しているのかということを整理しておくことも大切でしょう。自然光が必要な場合、あるいは遮光が必要な場合等々、診療方法、使用する機材によってプランだけではなく規模も構造も変わってきます。
また、診療スタイルによりスタッフの構成も人数も変わり、医療部分以外のスペースへの影響も発生してきます。特に医療機器の導入にあたっては、大きくスペースを取るものや、重量に対する補強の必要なもの、他の部分との遮蔽など施設つくりに大きくかかわるものが多いため、将来的なものも念頭においた計画が求められます。とはいっても近年の医療機器の小型化、省エネルギー化など開発スピードには目を見張るものがあるため、大は小を兼ねる適な発想でとりあえず入れておくというような考えでいると、スペースもお金も無駄にするということになりかねないため、専門家のアドバイスを受けるなど十分な検討が求められます。