一級建築士事務所 設計本舗・W
日記

ARCHIVE

Black&White

更新日: 2013年2月19日

等々力渓谷

今年になって何度目の雪だろう。今年(今シーズン)は例年にも増して雪が多い。

子供の頃は、冬になると雪が待ち遠しくて待ち遠しくて7時前のNHKの天気予報は「ひょっこりひょうたん島」に次ぐ必見番組(?)だった。西高東低の気圧配置は最も好きなレイアウトだった。私の生まれ育った京都の山奥の丹波では東京なんかよりよほど寒いし積雪も多かったのに最近では東京も負けてはいない。これも気候変動の影響なのだろうか。とはいえこの年になると子供の頃のときめきは影を薄め交通情報の方が気になってしまう・・・。でも、そうは言っても三つ子の魂なんとやらで、ここ東京で積雪でもあろうものなら早々に長靴に履き替えて辺りが明るくなるのを待って近隣探索に飛び出す。♪犬は喜び庭駆け回る♪と歌にもあるがオヤジだって喜んで街を歩き回る。真っ白な雪の上に残す足跡のなんと清々しいことか。私にとっては自然と同化する瞬間である。

さてさて、前置きが長くなりましたが写真は東京は世田谷区等々力にある等々力渓谷。近くで住宅の仕事があり初めて訪れることになりました。テレビでは東京散策番組なんかで目にはしていたのですが今回初めて足を踏み入れました。等々力渓谷は写真の奥に移る赤く塗られた「ゴルフ橋」を起点として多摩川あたりまで続いており一歩踏み入れるとそこには都会の喧騒から隔絶された世界が広がります。都会のオアシス、まさに自然と同化できる数少ない空間です。とはいえ紅葉の季節には熟年ハイカーをはじめとして多くの人が訪れ観光地の様相。人の多さにこの時ばかりは都心であることを思い出させますが都心では数少ない残された自然。大事に守っていきたいものです。

ところで最近よく耳にする言葉にPM2.5なるものがあります。直径が2.5㎛以下の超微粒子とのことですが、ようは煤。大気汚染の原因とされているようで粒子が小さいだけに気管支ぜんそくなど健康への影響も懸念されていますが、発生源は海を隔てたお隣中国。急速な近代化の弊害なのでしょうが汚染の状況が半端でない。人口が多い分汚染もひどくなるということか?昔この時期に中国大陸から飛んでくる物はゴビ砂漠からの黄砂と決まっており、季節の節目の決まりごと。春を告げる季語にもなっているようで、これも自然の一部と捉えられていたのでしょう。とはいえPM2.5は人工物。先ほど浮かれていた雪の核ともなってしまいます。子供の頃いわゆる冷戦時代と言われた頃、核実験の後の雨や雪の中心核は放射能に汚染されているといわれ固く口にすることを禁じられた事を思い出します。それが今年は煤。いやいやもっと物騒な事をしている国もありました。さてさて子供の頃心をときめかせた白い一片。これを守るのも私たち大人の責任なのでしょう。

そうそう、先ほどの「ゴルフ橋」なる名称、かつてこの地にゴルフ場があった頃そこにつながる橋であったことからこの名になったようです。