一級建築士事務所 設計本舗・W
日記

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緑の水玉

更新日: 2010年6月13日

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 九州、山口が梅雨入りの模様とニュースが伝えていました。以前の入梅宣言ほど歯切れはよくありませんが、ともかくいよいよ雨のシーズン到来です。最近では梅雨とは言いがたいほどの豪雨で毎年のように多くの被害を出しており、梅雨返上で雨季と言った方がしっくりくる感じすらあります。特に近年、従来水害にはあまり縁のなかった都市部での水害が増えており、これは雨水が下水道へ流入することにより下水道の処理能力を超えたために下水が吹き上げておこる浸水被害となります。東京では杉並の石神井川の氾濫による被害は記憶に新しいもので、東京では現在多くの行政が雨水の宅地内での地下浸透を奨励しています。
 さて、写真は分倍医院の駐車場ですが、ここでは浸透枡の設置による雨水浸透はもとより、駐車場1台1台を芝生の帯で区割りし1台ごとにも芝生を植えた丸い透水孔を設け雨水の地下浸透をはかっています。この方法は「梅本こどもクリニック」から始まり「坂の上クリニック」でこのスタイルになりました。始めはこんな小さなスペースに芝生が根付くはづはないと心配もされたのですが、あにはからんや心配をよそにしっかり根付きどこも青々と茂っています。この芝生の水玉は、雨水の浸透ばかりでなく、ともすれば無味乾燥となりがちなアスファルトやコンクリートだけの駐車スペースを緑化し目を楽しませてもくれます。駐車に雨水浸透、緑化と機能だけではなく目にも楽しい駐車場です。
 そうそう、日本語には100を超える雨を表す言葉があるといわれています。そう考えると私たち日本人は古より雨(水)と共に暮らしてきた民族といえるのでしょう。
さあ入梅、雨と賢く楽しく付き合っていきたいものです。